贈与税がかからない住宅資金の贈与(住宅資金贈与特例)
1.住宅取得資金の贈与に対する贈与税の特例とは
父母や祖父母などの直系尊属から、20歳以上の子どもや孫に対し、住宅取得や増改築のための資金を贈与した場合に贈与税の控除が受けられる特例です。
制度の適用を受けるには、子どもや孫の合計所得額が2,000万円以下である必要があります。
2.非課税となる金額
この特例によって贈与税が非課税になる金額は、以下のとおりです。
1)消費税の税率が10%のケース
契約の締結日 | 良質な住宅用家屋 | それ以外の住宅 |
平成31年4月~平成32年3月 | 3,000万円 | 2,500万円 |
平成32年4月 ~ 平成33年3月 | 1,500万円 | 1,000万円 |
平成33年4月 ~ 平成33年12月 | 1,200万円 | 700万円 |
2)消費税の税率が8%のケース
契約の締結日 | 良質な住宅用家屋 | それ以外の住宅 |
平成28年1月 ~ 平成32年3月 | 1,200万円 | 700万円 |
平成32年4月 ~ 平成33年3月 | 1,000万円 | 500万円 |
平成33年4月 ~ 平成33年12月 | 800万円 | 300万円 |
※「良質な住宅用家屋」とは、以下のいずれかに該当するものです。
- 断熱等性能等級4、耐震等級2以上
- 免震建築物
- 一次エネルギー消費量等級4以上
- 高齢者等配慮対策等級3以上
3.住宅や増改築工事の要件
受贈者(子どもや孫)は、贈与された年の翌年3月15日までに、その資金によって自分が居住するための住宅を取得、新築、あるいは増改築をして、居住する必要があります。
住宅の要件は、以下のとおりです。
1)住宅取得の場合の要件
- 家屋の床面積が50m2以上240m2以下(東日本大震災の被災者の場合、50m2以上で上限なし)で、床面積の2分の1以上の部分が自己居住用であること
- 中古住宅取得の場合、築後の経過年数が20年以内(耐火建築物の場合には25年以内)、または新耐震基準を満たすこと
- 新耐震基準を満たさない場合、取得日までに耐震改修工事を申請して、居住開始日までに耐震改修工事を完了したこと
- 贈与された資金の全額をもって、翌年3月15日までに居住用の住宅を新築または取得し、居住すること
2)増改築の要件
贈与を受けた子どもや孫が所有する家屋を増改築、大規模修繕、大規模の模様替えなどの工事を行った場合で、以下の要件を満たす必要があります。
- 工事費用が100万円以上
- 増改築後の住居の床面積が50m2以上で、床面積の2分の1以上の部分が自己居住用
4.注意点
上記の表の金額までは贈与税がかからなくなりますが、それを超える場合には、相続時精算課税制度を使った方が特になる可能性があります。
どちらの制度を利用するか、しっかり検討しましょう。
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