相続税・贈与税

相続税や贈与税で重要な税務調査について

相続税や贈与税の申告の際には「税務調査」に注意が必要です。
適切に申告をしていないと、税務調査が入ったときに多額の追徴課税が行われる可能性もあるからです。
今回は、税務調査が行われる場合や、税務調査へ対応するためのポイントを紹介します。

1.税務調査とは

税務調査とは、適切に税金の申告納税が行われているかどうかを調べるために、税務署が状況を調査することです。
日本の税金制度では、納税当事者による自主的な申告納税制度が採用されています。
ところが、自主判断のみに任せていると、きちんと税金を支払わない人が増えてきます。
そこで、ときおり税務署が介入して、適正に制度が機能しているかどうかを調べることにより、国民に適正な申告納税を促しています。

2.相続税の税務調査で重要なポイント

2-1.税務調査のタイミング

相続税の税務調査が行われるタイミングは、申告書の提出後、半年~1年半後くらいであることが多いです。

2-2.税務調査のパターン

調査方法については、税務署への出頭が要求されるパターンや、税務署の職員が自宅へ尋ねてくるケース、銀行や関係先に調査が入るケースなどがあります。

2-3.税務調査の目的と方法

税務調査の目的は、申告内容の確認や、不審な点をチェックすることです。
具体的な方法としては、被相続人の経歴や仕事、健康状態を確認したり、預金通帳や不動産の資料、株券など、関係資料の開示を求めたりします。

3.贈与税の税務調査で重要なポイント

3-1.税務署による情報収集方法

税務署は、贈与税について、まずは以下のような方法により、適正に申告が行われているかどうかを確認します。

  • 不動産の取引があったときには、法務局や都道府県税事務所などが税務署に連絡します。
  • 建物を建てたときには、市区町村役場の建築課などが税務署に報告を入れます。
  • 事業を開業したときにかかわる警察署や保健所から情報を収集することもありますし、株式などの名義書き換えがあったら、株主名簿などから情報を集めることもあります。
  • ゴルフ会員権の売買については、ゴルフクラブの会員名簿から調べることができます。
3-2.「怪しい」ケースでは、税務調査が行われる

こうして情報を収集すると、本当にその人が自分の資金で財産を取得する能力があるかどうかという観点から、「実態としては贈与ではないのか」を検討します。
たとえば、若い人にはあまり経済力がないはずなので、急に多額の資産を取得した場合などに、怪しまれやすいです。 また、住民税が低く、普段の所得が低いにもかかわらず、高額な土地建物を取得している場合にも、その取引が贈与であると疑われやすいです。

税務署が疑ったときには、当事者に対し「おたずね」や税務署への「出署依頼」の文書を送付して、いろいろと調査を行います。

税務調査が入ったからと言って必ずしも追徴課税されるとは限りませんが、売買などの取引を否認されると高額な贈与税がかかります。
贈与税の節税は重要ですが、極端なことはしないようにしましょう。

 

不動産税金ガイドの内容について
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